インフルエンザについて

 


だんだん寒さが身に染む季節になってきました。
インフルエンザの例年に無く早い流行がニュースになっています。
予防注射はもうお済になっていますか?今回インフルエンザについて詳しくご説明したいと思います。
Q&A形式
になっています。今まで患者さんから多く寄せられた質問から選びました。
興味のある質問項目をクリックなさると答えに飛べます。




     質問

Q1.インフルエンザってどういう病気ですか?
Q2.普通の風邪とどう違うのですか?
Q3.インフルエンザの予防法を教えてください。
Q4.予防注射をすると完全にインフルエンザにかからなくなるのですか?
Q5.どういう場合にインフルエンザの予防注射ができないですか?
Q6.予防注射は絶対2回しなければいけないのですか?
Q7.インフルエンザの診断法について教えてください。
Q8.インフルエンザの予防注射のあと体調が悪いのですが、注射のせいですか?
Q9.インフルエンザと診断されました。治療はどうするのですか?
Q10.家族にインフルエンザの患者がいます。どのように接したらいいですか?
Q11.インフルエンザで学校(会社)を休んでいます。人にうつさなくなるまでどのくらいかかりますか?







     
回答

Q1.インフルエンザってどういう病気ですか?
A.
インフルエンザウイルスによって感染する疾患で日本では例年11月〜4月に流行します。高齢者や呼吸器・心臓などに疾患を持つ方がかかると重症化することもあります。小児の場合はインフルエンザ脳症に移行する場合があります。十分注意が必要な伝染病です。飛沫感染(患者さんのくしゃみ、鼻水、咳などから移ること)で、潜伏期間は1〜3日です。治るまで約5〜7日かかります。



Q2.普通の風邪とどう違うのですか?
A.
普通の風邪はくしゃみ、鼻水、咳、のどの痛みなどで、発熱はそれほど高くならないことが多いです。
それに対して、インフルエンザは、くしゃみ、鼻水、咳、のどの痛みなどの症状もありますが、いきなりの高熱(38度以上)、頭痛、体の節々の痛み、強い倦怠感などの全身的な症状が現れます。



Q3.インフルエンザの予防法を教えてください。
A.
まず、予防注射が基本です。抗体ができるまで2週間ほどかかるので、インフルエンザが流行する前に受けましょう。12月中旬までに予防注射を済ませた方が良いと言われていますが、地域によって差があります。空気が乾燥していると、インフルエンザにかかりやすくなります。室内の湿度を50〜60%に保ち、外出時にはマスクをつけましょう。帰宅したら、手洗い、うがいを忘れずに。体が疲れているとインフルエンザのみならず、風邪にもかかりやすくなります。睡眠、栄養に気を配りましょう。



Q4.予防注射をすると完全にインフルエンザにかからなくなるのですか?
A.
残念ながら100%の効果では有りません。でも、インフルエンザにかかりにくくなることは確かです。またかかっても軽く済むと言われています。インフルエンザにはA型とB型があり、ワクチンにはどちらも含まれています。その効果の持続時間は約5ヶ月と言われています。



Q5.どういう場合にインフルエンザの予防注射ができないのですか?
A.
予防接種法に基づいて以下の方には接種ができないことになっています。
  (1)37.5度以上の発熱がある方
  (2)重い急性の病気にかかっている方
  (3)予防注射で以前アレルギー発作を起こした方
  (4)免疫不全の診断がされている方
  (5)1ヶ月以内にはしか、水ぼうそうにかかった方
  (6)1ヶ月以内に生ワクチン(ポリオ,麻疹、風疹、BCG)を受けた方
  (7)1週間以内に不活化ワクチン(三種混合、二種混合、日本脳炎)を受けた方
  (8)重度の卵アレルギーがある方
  (9)心臓・腎臓・呼吸器などに重い疾患がある方
  (10)生後6ヶ月未満の乳児
 以下の方は医師とご相談の上慎重に接種
  (1)熱性けいれんになったことがある方
  (2)てんかんの持病がある方
  (3)妊娠している方
   



Q6.予防注射は絶対2回しなければいけないのですか?
A.
65歳以上の高齢者は一回で十分です。
それ以外の年齢で、去年インフルエンザにかかった方、予防注射を受けた方は一回でもいいと思います。ただし13歳以下の方は2回行ったほうがより効果的といわれています。



Q7.インフルエンザの診断法について教えてください。
A.
症状からインフルエンザを疑った場合、迅速診断キットを用いて検査をします。鼻やのどから分泌液を取って調べます。結果が出るのに10〜15分かかります。これで陽性と出ればインフルエンザ間違い無しです。しかし、陰性だとしても100%安心はできません。あまり早期に検査すると、反応が出ないことがあります。また、鼻水やのどぬぐい液が十分に取れない場合も反応が出ないことがあります。そのときは次の日に再検査すると確実でしょう。



Q8.インフルエンザの予防注射のあと体調が悪いのですが、注射のせいですか?
A.
注射してすぐに5〜10%の人が発熱、頭痛、寒気。体のだるさがみられる事がありますが、2〜3日で治ります。10〜20%の人が注射した箇所が赤くなって腫れることがあります。これも2〜3日で治ります。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので、この接種によってインフルエンザになることはありません。



Q9.インフルエンザと診断されました。治療はどうするのですか?
A.
安静にして、十分休養をとりましょう。発症して48時間以内に病院にかかれた場合、抗ウイルス薬が使えます。抗ウイルス薬の代表であるタミフルと異常行動との関係については、去年ずいぶん騒がれましたが、いまだ関係がはっきりしておりません。調査の結果がはっきりするまで、タミフルは現在は10代の患者さんには原則的に使用できないことになっています。リレンザは吸入薬で小さいお子さんや。お年よりはうまく吸い込めないことがあります。お医者さんと良く相談して治療方針を決めましょう。



Q10.家族にインフルエンザの患者がいます。どのように接したらいいですか?
A.
患者さんには安静、保温に努め、栄養、水分の補給に気をつけてください。乾燥しているとウイルスが活動しやすいので、お部屋の湿度は50〜60%ぐらいに保ってください。また、お医者さんの指示に従ってお薬をきちんと与えてください。くしゃみ、鼻水は感染源になりますので使用済みのティッシュはきちんと始末して。看病なさる方はマスク着用。手洗いも励行してください。インフルエンザは場合によっては重い合併症を起こすこともあります。高熱が続いてぐったりしている、痙攣、嘔吐などの症状があるときは迷わず、病院へ!



Q11.インフルエンザで学校(会社)を休んでいます。人にうつさなくなるまでどのくらいかかりますか?
A.
解熱して2日たてば復帰してよいことになっています。しかし、無理はなさらないでください。ご自分が休むことでほかの方にかかるかかる負担と、無理して登校(出社)して、他の方にインフルエンザを移すことと、どちらが本当の迷惑でしょう?また、復帰できてもくしゃみ、鼻水、咳が続いている方はマナーとしてマスクをすべきでしょう。